■ぼくのパオ





ぼくが中古購入したパオの初年度登録は1989年。アクアグレーという名称のボディカラーですが、いわゆる水色です。購入もとの山梨県から陸路、海路を経て大阪のぼくの家までやってきました。
ぼくが車を選ぶときの最大の基準、それは「その車が自分のガレージに納まっている姿を想像したときに、ドキドキするだろうか」ということです。簡単な基準ですが、心ゆさぶられる何かが欲しいのです。確かに最新の車はメンテの手間もかからないでしょうし、コスト面でも安心でしょう。故障の心配も少なく、装備も充実していると思います。しかし、いざ車を購入しようと思っていろいろな車種を候補に挙げてみましたが、実際自分のガレージに納まる車としてはパオ以外には考えられなかったのです。
他にもパオには積極的に選ぶ理由、つまり「パオでないと」という理由があります。パオであれば、周囲の人が「ああ、この人はパオが好きで乗っているのだな」と好意的にとらえてくれる部分があると思います。また、古くて小さい車ですがそれっぽい雰囲気が出ているので貧乏臭く見られることも(あまり)ありません。つまり、ヒエラルキーの外に存在する車とも言えるのではないでしょうか。他では旧ミニもそれに該当すると思います。旧ミニもやはり古くて小さく、高額車ではありませんが周囲から一目置かれる存在であると思います。「デカくて高い方が偉い」というヒエラルキーから脱しているのです。バイクで言えばビッグスクーターもそうですね。アメリカンであればハーレーが頂点であり、スピードであればスズキ・ハヤブサやカワサキ12Rが頂点であると思いますが、仮にそれらと信号停止時に横に並んだとしてもビッグスクーターは土俵が異なるのでどちらがエライか決定的な判断を下せないのです。時計であればスウオッチ。お金が無いのでスウオッチをはめるわけではなく、好きだからはめるわけです。バセロン・コンスタンチンやパテック・フィリップ、ロレックスとは同じ時計ではありながら、同じヒエラルキー内に存在していないのです。ぼくは高級車=エライという枠組みに入ることがとても嫌だったのです。
もちろん新車購入できないので中古での購入ですが、購入時に聞いている交換部品はイグニッション、コイル、プラグ、コード、バルブロッカーカバーパッキン、ロッカーカバーガスケット、ラバーロッカーカバー、タイミングベルト。そして事故歴無し、取説、記録簿つき。走行109890km、乗り出し19万強、車検半年残、という条件です。年式が古いので各部品とも交換の必要が生じるものと思われますが、可能な限り克明に記録を残してゆこうと思います。





パオはいったいどのようなスペックなのか?気になる人も多いと思います。ここで日産の最新の(2002年現在)軽自動車であるモコと比較してみます。現代の基準に慣れたぼくには、車重、全幅、AT、馬力にカルチャーショックを感じました。1989年は日本の自動車産業が一番元気があった年だったと思います。この年(またはその前後)にはマツダロードスター、ホンダNSX、日産スカイラインGT−R(R32)、日産フェアレディZ(Z32)、トヨタセルシオなど、世界に誇る名車が発表または発売されています。ちなみに燃費は冬季(エアコン非使用)で高速10km/L、街乗り7km/L位です。思っていたより燃費が悪いですが、冬季はより長い時間が暖気に必要なためにチョイ乗りが多くなると極端に燃費が悪くなるようです。


パオ(1989) モコ(2002)
長さ 3740 3395 ヤッパ軽は短いですね
1570 1475 パオ以外とスリム。
高さ 1475 1590 パオ以外と全高がある
燃費 14.4km/L 18.4km/L キャブ車ですから
AT 3AT 4AT 3ATとな....
車重 750kg 850kg パオ軽すぎませんか...
馬力・トルク 52ps・7.6kg 54ps・6.4kg ちょっと少ないですね
パワーウエイトレシオ 14.62 15.74 さすが軽いだけありますね
新車価格 122.1 100.3 凝った造りなのに意外と安かったんですね







■パオチェック






パオは車屋さんからの購入ですが、遠くはなれたお店からの購入ですので、納車後にひととおりチェックしてみます。整備渡しではなく、現状販売での購入なので自分であるていどコンディションを把握しておく必要があるのです。


納税証明書、取り説、記録簿他付属品
今まで何人のオーナーが乗ってきたのか?各書類を見る限りぼくの前には少なくとも4人のオーナーがいたようです。車検切れで放置されていた期間もあるみたいですね。直前のオーナーの所有期間は書類から推測するに最長で1年6ヶ月
ですが、マメな方であったようでディーラーでの修理明細やオートバックスでの作業控えなどを残してくれていました。取り扱い説明書は非常に状態が良いものですが、そのイラストなどに時代を感じてしまいます。
バッテリー電圧
テスターを使用します。納車後すぐに測定しましたが、14.25Vでした。バッテリーはエンジンルームのほかの補機類と比べて以上に新しく見えるので、つい最近交換したばかりなのでしょう。エンジン始動も問題ありません。


スペアタイヤの収納場所
ここは水が溜まりやすく、サビやすいと言われている場所です。早速スペアタイヤを取り外しチェックしてみましたが、穴が開いてはいないものの、表面はけっこうサビています。水がどのあたりから浸入するのかを突き止めてその対策、またサビを落としてから地金の処理を行いました。
ゴム類
このくらいの年式になると、結構ゴムが切れていたりひび割れてたり、また縮んでいたりしますが、いままで見てきたパオに比べるとずいぶん状態が良好です。しばらくこのまま乗れそうです。

プラスチック部品
パオのプラスチック部品は比較的薄い色のパーツが多いので日焼けや、くすみをチェックします。車体左側に良く日があたる場所に保管していたのか、右側よりも左側ドアミラーの色あせが激しいようです。また、リヤのナンバープレート灯のカバーも色あせが見られます。
ショック
新車時の乗り味を知っているわけではないのでどの程度ヘタっているのかはわかりませんが、交換記録がなく、また車を押さえてみたところ左後ろショック付近から「コトコト」音が出ています。また乗っていてもその音は聞こえるので、微妙に他のショックからも音が出ていると思いますが、破損や抜けも見られず整備工場の人によるとまだ交換の必要なしとのことですので、しばらくこのまま乗ろうと思います。
エンジンルーム
汚れはもちろんですが、ハーネスの傷みやオイルなどが漏れたり飛び散った形跡がないかチェックしてみます。思ったよりはきれいではありますが、パーツによってはサビていて動作が心配なものや経年劣化がひどいものがあります。また、熱がこもる部分なのでプラスチック、ゴム類の劣化が進んでいます。エンジンルームを洗浄し、樹脂・ゴム類はアーマオールを塗っておきました。

各機関
エンジンは言うに及ばず、ATの具合や各部異音をチェックしてみます。まず、エンジン。方々でよく聞く発進時やバック時、急ブレーキ時、ハンドルを切ったときのエンストは全く起きないようです。ぼくが一番心配していた部分だけに、安心しました。ATのほうは、全く変速ショックもなく、非常に快適です。ATFの交換記録は残っていませんが、一度は交換してあるのかも知れませんね。
室内
シートの汚れや、各部の日焼け具合やスイッチなどをチェックします。こちらも思っていたよりはるかに良いコンディションです。とくに目立つ傷みはありませんが、ドアパネルなど水色のプラスチック部品が日に焼けてしまっています。エアコン噴出し口の角度調整がユルくなってしまっていたり、ダッシュに若干浮きがあったりしますが、年式を考えるとずいぶん良好な方だと思います。ちなみにパオのウインドウガラスは全てまったくの透明なんですね。ですから外も見やすいですし、外からも見えやすくなります。普通の車はウインドウが透明に見えてもなにかしら色が付いているものです。クラシカルなイメージの演出のために、もちろん意図的に日産が透明にしたのだと思っています。
灯火類
もちろんすべて正常に点灯するかどうかのテストです。動作自体は問題ありませんが、室内照明(特にメーター)が暗いです。これは内部電球を交換しました。
タイヤ
はじめに聞いていた通り、8分山以上は残っていそうなタイヤが付属しています。中古車にはありがちですが、ホイールにはブレーキダストがびっしりとこびりついていて、専用クリーナーを使ってもなかなか落ちそうにありませんでしたが、洗車のたびに根気強く洗ってやっときれいになりました。ホイールのサイズはなんと12インチ。サイズ表記を見ても現在はあまり見かけないサイズ表記です。155SR12と記載されています。オゾンクラックが入っていたため、2003年6月に4輪とも新品に交換しました。
外装・ボディ
外観は年式や走行距離から考えると驚くほどにきれいです。高価なフッ素樹脂塗装を採用してくれた日産や、大事に乗ってくれた前オーナー方々に感謝します。線傷やボンネット、ドアエッジ部に色ハゲ、またドアヒンジ部に塗装のヒビ割れがありますが、それも微々たるものです。また、聞く限り無事故なのでオリジナルの塗装を保ったままというのも嬉しいポイントです。剛性面では、思ったよりもずっとヤレが少ないという印象を受けました。同じ年代の日産車でもフェアレディZやシルビア、スカイラインなどターボ車はボディがパワーに負けてしまってすぐにガタガタになってしまいましたが、非力なエンジン、柔らかい足回りが幸いしてボディへのダメージが少なかったようです。キャンバストップは縮んではいますが、作動状況は良好です。








■パオのアーシング







最近では「アースイング」や「ボンディング」と表現されることが多くなりました。とりあえず、以前まとめ買いしたケーブル、端子がたくさんあるのでアーシングを行ってみます。端子はニチフ、ケーブルはオーディオテクニカ製です。最近の車は純正でもアースケーブルが太いものが使われていたりしますが、やはりこの年代の車のアースケーブルは細く感じます。アーシングは未だに諸説紛々です。日産のフェアレディZやダイハツ コペンは純正オプションでアーシングキットがありますね。また効果がある車種についても「エンジンの非力な、またコスト上配線がプアな小型車のほうが効果がある」「インジェクション車のほうが効果が大きく現れる。キャブ車はイマイチ」とか「電装品の多い大型高級車のほうが効果を体感しやすい」などいろいろです。ぼくがアーシングについて参考にしたのは下記ホームページです(添加剤など必見のコンテンツが多いです)。
f&f
fire Roadster

アーシングと共に、各端子で外せるものはいったん外し、外した接点にはすべて
コンタクトZを塗ります(コンタクトZについてはこちらをご覧ください)。



アーシング云々よりもまず、バッテリーのターミナルがあまりに汚れていたのできれいに掃除します。バッテリー側、ケーブル側ともにヤスリをかけて酸化した表面を削り、その後に端子を接続します。プラス、マイナス側とも同様の処理を行います(画像は端子に丸めた紙ヤスリを突っ込んだ状態です)。
画像でも分かると思いますが、端子はかなり劣化しています。これではバッテリーも本来の性能を発揮できないと思います。
次にアース追加ですが、マイナス側端子にちょうど良いアース増設場所が2箇所あります。ここにとりあえずアースを増設しますが、ちょっとネジ径が小さいので小さめの端子を使います。端子が小さいのでケーブルも必然的に細めのものになりますが、いつもオーディオの配線に使ったり、バイクのアーシングにも使用しているベルデン708(ペア)を使用します。ケーブルと端子はカシメた後にハンダ付けしておきます。
とりあえず追加したアースポイントは2箇所。どちらも電源を必要とする部品とボディとの接合部です。ボディ側にはヤスリをかけておいて塗装を剥がし、金属部分をむき出しにしたうえで追加アースの端子を共締めします。ネジを締めこんだあとはサビ防止のためにタッチペンを塗っておきます。(2002.11.13)
エンジンのヘッド、オルタネーターにもアースを追加しました。良く見てみると、ストック状態でも細い線ではありますが、あちこちとアースが落とされています。パオのアーシングで最も困る点はボディの直接アース線を接続しようとすると補機類を外さなくてならないということです。今回もウオッシャータンクとそのステーを外しました。