::装備::
ディスチャージヘッドランプ、イモビライザー、電動ミラー、キーレスエントリー、などひととおりの装備は揃います。内装は簡素ですが、それは意図されたものであって安っぽさは(あまり)感じません。サイド・リヤウインドウ合計5面は標準でプライバシーガラスとなっています。ちなみにスピーカーは装着されているもののオーディオはレス仕様です。エレメントは1グレードのみ(北米では5MTやFFがある)の展開となります。同価格帯の車から比べると明らかに装備はプアですが、それは輸入車ゆえの問題(輸入コストが上乗せされている)かと思います。ハリアーやムラーノは価格が近いですが、向こうは高級車色が強く、傍から見ると同じくらいの価格とは思えないかもしれませんね。しかしながらエレメントにはエレメントにしかない美点が数多くあり、単純な比較はナンセンスです。
::キー::
キーは割と普通のタイプ。従来の国産車のキーに比べ、少しだけ溝が複雑になっています。キーレスエントリーのリモコンは別体式。ちょっとかさばるので、できればキーとリモコンを一体にまとめてほしかったと思います。キーはある意味その車の象徴でもあり、オーナーの満足心をくすぐるものでなければならないと思います。そういった意味では、国産車(厳密にはエレメントは輸入車)全体に言えることですが、もう少しコストをかけてほしい部分です。
キーは電波式です。受光部に向けてボタンを押さないと反応しない赤外線式とは異なり、リモコンをポケットに入れていても、壁を通してでも作動するので便利です。
ちなみに04年9月にフェイスリフトを受けたCR−Vのキーはリモコン一体式になっていますね。キーヘッドの形も格好良くなっています。車のキーはいろいろありますが、個人的に好きなのはアルファ・ロメオ156のキー(赤いヤツ)でした。メルセデスやアウディ、VWのポップアップ式キーも良いですね。

::全体::
全体としては、やはり「クラディング」と呼ばれる新開発樹脂パーツがインパクト大です。この樹脂パーツと塗装されたパネルとの組み合わせが、一種独特の雰囲気を醸し出しています。この部分にはメタリックの粒子のようなものが練りこまれているので、あまり安っぽくもありません(高級感もないですが)。全長はこの手の車としてはやや短く、しかも塗装された面積が少ない為に、見た目の印象としては「意外と小さい」と感じることがあります。実際のサイズは4300X1815X1790mm。車としては他の何にも似ていない、独自の価値観を持った車です。比べられる存在が無い、という意味ではとなりにどのような車が並んでも恥ずかしくはないですし、所有する楽しみがある車だと思います。
現代の流麗なSUV(ムラーノ、ハリアーなど)が増えた環境では、エレメントのスタイルは異彩を放っています。となりにそういった車が並んでも、とても同じようなカテゴリの車とは思えないほどエレメントは浮いています。ムラーノの下位グレードよりもすこし安く、ハリアーの下位グレードよりもすこし高い価格帯に位置するエレメント。しかしながらわざわざエレメントを選ぶだけの理由を持っている車だと思います。
::前::
前影投影面積に対して、ヘッドライトが小さいです。さらに「意図的に」ヘッドライトを窪ませているので、さらに小さく見えます。樹脂部分が多く、飛び石キズがあまり気にならないのも良いですね。グリル、アンダーガード部はシルバー色となり、微妙なアクセントになっています。
ホイールは16インチサイズのアルミ製が標準です。ホイールの重量は、ホンダのウエブサイトQ&Aによると、1本あたり9.29kgだそうです(PCD114.3、オフセット45、5穴。ちなみに鉄チンは10.8kg)。
フロントのオーバーハングは810mm、リアは915mm。アプローチアングルは26度、デパーチャーアングルは22度、ランプブレークオーバーハングは16度。
エレメントの全幅は1815mm、しかしながらこの数値は箱型ボディの端から端までなので、ドアミラーを含みません。ミラーはかなり大きく、ミラーを入れるとかなりの幅になりそうです。最近はキャビン上部を(上方向に)絞り込んだ車も多く、そういった車たちはドアミラーの付け根がやや内側に入っていますので、ミラーを入れた全幅とボディのみの全幅がそんなに変わらないことがあります。
::横::
やはり樹脂パーツが多いです。ルリヤ上部は樹脂パーツでブラックアウトされたように見え、おかげでピックアップのような印象を受けます。全幅が大きいので駐車場に停めたとき、横の車のドアパンチが心配ですね。リヤサイドガラスとリヤガラスは連続するようにデザインされていますが、これは最近の車のトレンドと言えるでしょう。
車検証上の区分は「ステーション・ワゴン」です。一般的にぼくが連想するステーション・ワゴンとは雰囲気が異なり、そのために若干の違和感を覚えます。任意保険における車両料率クラス、対人クラス、対物クラスはそれぞれ「5(2005年時点で)」です。比較的高めですね。
やはりなんといっても観音開きのドアが特徴的です。ルーフは直線ではなく、前後に向けてなだらかな曲線を描いています。見た目のマスを軽減するための配慮かもしれません。ステップワゴンも微妙にルーフの後ろ上端に角度をつけていますね。エリシオンも赤いラインが入っていたりするので、ホンダとしてはこだわる部分なのかもしれません。
車両重量は1560kg、総重量は1835kgになります。前輪には890kg、後輪には670kgの重量が乗っています。なんとか軽くしたいのですが、FF車の問題として「後ろしか軽量化できない」というものがあり、エレメントもまたその通りです。フロントに関しては「オウッシャー液を抜く」のが一番軽くなるかもしれません。
 
::後ろ::
後ろもやはり樹脂パーツが多いですね。テールゲートは上下二分割式なので、せまい場所でも開閉がラクです。テールランプはレッドとスモークのコンビ。この色の組み合わせは最近の高級車に良く見られるもので、非常に気に入っています。ブレーキランプは円形に光ります。リヤハッチに取り付けたミラーは純正オプション品です。リヤバンパーにもシルバーのアクセントが配されています。
この「クラディング」ですが、紫外線にさらされると一般的な樹脂と同様、劣化が予想されます。日差しの強い地域もある北米がターゲットの車なので十分な対策が施されていると思いますが、念のために樹脂用の保護剤(そのあたりに売っているものです)を塗っています。
::室内::
室内の最も大きな特徴は「ワイパブルフロア」という、樹脂製のフロアだと思います。カーペット地の内装を持たないので、水気のあるものをこぼしても、さっと拭き取れることが特徴です。シートも撥水加工を施されており、クロス地ながらも水を通さない生地を内側に重ねているそうです。そのせいかシート表皮の伸縮性はイマイチです。リヤシート一人当たりのスペースはずいぶん贅沢なものであると思います。レッグスペースも広いですね。カーゴスペースもほぼスクエアに作られているので収納力は高く、使い勝手は優れると思います。ただし、走行すると置いたものは前後左右に滑って移動してしますので、ラゲッジネットのようなものや、タイダウンベルト(ロープ)のようなものを常備すると良いでしょう。
個人的には、せっかくのインパネシフトですので、できればベンチシートにして欲しかったと思います。
::走行性能::
走行性能については、それを求めた車ではありませんので、特に述べるようなことはありません。思ったよりはずっと静かですが、路面状況によりロードノイズを拾うのが問題といえば問題でしょうか。これはフロアにカーペット地が無いために遮音性に欠けるのが主な原因と思われます。時間を見つけて少しづつ内装を剥がし、防音処理をしてゆこうと思います(そういえば、ボンネット裏にも防音処理が施されておらず、もしかするとそういった事は設計時から無視されていた可能性もあります)。
i-VTECエンジンはVTECとVTCやVCMを組み合わせたもので、省燃費とパワー・トルクを両立させたものとされています。実際に体感上のトルクは非常に大きく、1.5トン超の大柄なボディをぐいぐい引っ張ります。振動や騒音もずいぶん少ないと思います。
エンジンの問題ではありませんが、良く言われるとおりエンジンブレーキがあまり利きません。下り坂走行時には注意(ブレーキのフェード)が必要です。できれば5ATもしくはCVTが欲しかったと思います。



::安全性・環境性能:: 
G-CONボディやEBD(電子制御制動力配分システム)付ABS、「新・衝突安全設計ボディ」などを採用しています。エアバッグもデュアルですね。アメリカは排ガス規制が厳しいせいか、ずいぶんクリーンみたいです。平成22年度燃費基準達成車なので、任意保険もエコカー割引が適用されます。
アクティブセーフティとしてはEBD(電子制御制動力配分システム)付ABS(4輪アンチロックブレーキシステム)、ブレーキアシストを採用しています。ブレーキアシストのせいか、ややブレーキを踏んだときに(アシスト作動していない状態)違和感があります。衝突安全性能に関してはホンダ独自の「Gコントロール」で前面フルラップ衝突55km/h、前面オフセット衝突64km/h、側面衝突55km/h、後面衝突50km/hをクリア。頭部衝撃保護インテリアや「歩行者傷害軽減ボディ」も採用されています。

::エレメントのスペック::
メーカー発表値に基づく諸元表です。
駆動方式 4WD
車名 ホンダ・オブ・アメリカ
形式 CBA−YH2
トランスミッション 4AT
全長x全幅x全高 4300x1815x1790
ホイールベース 2575
最低地上高 175
車両重量 1560
乗車定員
エンジン形式 K24A DOHC4気筒(2.4L)
最高出力/最大トルク 160馬力/22.2
燃費 10.6
最小回転半径 5.2
タイヤ(前後) 215/70R16 99S
ブレーキ形式(前/後) ディスク/ディスク
サスペンション(前) マクファーソン式
サスペンション(後) ダブルウイッシュボーン


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