LEDは、3.2〜3.6V 20mA(白・青・青緑・緑)、1.9〜2.1V 20mA(赤・橙・黄色)という条件の下で発光します。車はだいたいにおいて12V(発電は14.4V)ですので、電圧を落とす必要があります。そこで、プラス側に抵抗を入れてやって電圧を落とします。
どうやって抵抗値を求めるか、ですが、これはオームの法則(E=IR)を用いて求めます。
*R=抵抗(オーム)、E=電圧(ボルト)、I=アンペア。
 
具体的には、抵抗値=(14.4V−LED電圧)÷電流で求めることができ、例えば3.2V 20mAのLEDを3個使用する場合、LED電圧は3.2X3=9.6Vとなります。ですので、抵抗値=(14.4−9.6)÷0.02、つまり240オームとなります。12V車で3.2V 20mAのLED3個を光らせるには、240オームの抵抗を使えば良いということになります。
 しかし車の電圧は常時変動しますので、電圧変動による影響を受けずに決まった電流を流すことができる定電流ダイオードの使用がベターと考えられます。この場合は抵抗と違って極性がありますので、取り付け時に注意が必要です。
 
LEDとフィラメント球との違いは、色ムラや寿命、消費電力、様々ありますが、自動車に装着する場合に注意する事項として「光の拡散」が挙げられます。LEDは指向性が強く、光が拡散しませんので、光を拡散させる工夫が必要です。LEDに角度を付けたり、配置を広範囲にしたり、という手法もありますが、物理的に難しい場合があります。そこで簡単に光を拡散できるパーツとして「キャップ」「カサ」「レンズ」があります。これらを単体で使用する、もしくは併せて使用することで相応の効果を得ることができます。最近の車はヘッドランプにはマルチリフレクターを採用していることもあり、スモールランプがヘッドライト内に収納されている場合は、さらにこのような対策が必要です。
 
もうひとつの問題は、「球切れ警告灯」。消費電力が小さくなるため、車両が「電球が切れている」と判断して警告灯を出すものです。抵抗を入れて警告灯を消す方法もありますが、本末転倒とも言えますので、ここは警告灯無視か警告灯の配線に細工をするのが良さそうです。市販のキャンセラーもありますが、まだまだ高価です。
同様の問題で、ウインカーに関してハイフラになってしまうという問題もありますが、これは点滅速度調整可能なリレーを割り込ませることで解決できます。以前は自作がメインでしたが、今ではずいぶん安くなりましたので市販品を購入するのも良いかもしれません。
*通常のウインカー用リレーは電流(負荷)によって点滅の速さを決定するので、LED化によって電流が少なくなるとハイフラもしくは常時点灯になります。これを防ぐためにタイマーICとトランジスタを使った、俗に言う「デジタルリレー」を使用する必要があります。完成品、半完成品、部品のみ、色々な製品が市販されています。
 
LED化を進めていると歯止めが効かなくなる場合もあり車内照明はもちろん、デイライト、イカリング、ネオンのように地面を照らすライトまで造ってしまいそうになります。イカリングの場合はLEDに対応した発光ロッドやチューブを使用する方法のほか、アクリルのパイプをまさに「イカリング」状に輪切りにして使用する方法が主流のようです。
 

必要な工具は以下の通りです。作り方によってはやや異なる場合もあると思いますが、ぼくは下記の工具を用意して作業にかかります。使い方はそれぞれの項目で説明します。
*ハンダゴテとハンダ(台もあると便利)
*ニッパー
*ラジオペンチ
*コーキング材と先が尖ったもの(楊枝など)、もしくはエポキシ接着剤
*ドリル(1mmくらい)
*安定化電源(コンセントから12Vを取り出せる電源)
*純正バルブ、もしくはソケット
*ヤスリ
LEDには極性があります。足が長い方が+、短い方が-ですね。フィラメントを持つ電球とは異なり、+/-を間違えると点灯しません。LEDは大体2V〜3.6Vで点灯するように作られているもが多いのですが、自動車は通常12Vです。12VでLEDを光らせるために+側に抵抗(510オーム)を入れます。LEDを複数光らせるには抵抗の数値を変えれば良いのですが、いろいろな数値の抵抗を買うと管理が面倒になるので、ぼくは510オームのみをまとめ買いして使いまわしています。最適な電流を得ることは出来ないかもしれませんが、計算が面倒な場合は510オームの抵抗で1〜2個のLEDを光らせると良いでしょう。

*下の画像の上側、抵抗の上にある小さいものが定電流ダイオード。少し高いですが(70〜100円くらい)、電圧が不安定な場合はこちらを使うと良いと思います。石塚電子製E-153もしくはE-103を使用します(E-103の場合は2個)。

車両にLEDを仕込む方法はいろいろあると思いますが、あとで元に戻したい、という場合は純正バルブを再利用する手があります。
まず、純正バルブのガラス部分を割り(破裂音が大きく、ガラスが飛び散る可能性があるので廃棄可能な布などで電球部分をくるんで割ってください)、フィラメントや中に残ったガラスをごっそり取り除きます。ラジオペンチやニッパーを駆使しますが、ぼくはいつも「KNIPEX」のニッパー、ペンチを使います。相当に高価ですが、工具の良し悪しが作業の成否、出来栄えを左右するために工具には出し惜しみしないようにしています。

不要部分を取り除いた電球のソケット部分にLEDを移植します。
最近は、電球の「ソケット部分」のみも販売されているので、そちらを利用するのも良いと思います。
まずはプラス側から。プラスはソケットの下部です。ここは鉛でできており、比較的やわらかいので、ハンドドリル(ピンバイスが良いと思います)でLED(抵抗)の足を取り付ける穴を貫通させます。フィラメントを切らずに残しておき、フィラメントが付いている端子にLEDの足をハンダ付けする方法もありますが、フィラメントが付いている端子にはハンダが乗りにくい場合が多く、また自動車・バイクは振動が大きいのでより確実な方法を選択します。
続いてマイナス側。ピンボケ申し訳ない・・・。これはソケット本体にハンダ付けすることになります。そこで、ハンダの乗りを良くするためにハンダとの接合面にヤスリをかけておき、脱脂処理を行っておきます。ハンダゴテの先が入りにくい場所なので、先にハンダを乗せておくと後々容易に作業が進みます。ソケットの外側は車両側のソケット差込口と干渉する可能性がありますので、ソケットの内側にLEDの足をハンダ付けします。
これはプラス側。LEDに取り付けた抵抗の足を貫通させ、ハンダ付けします。ハンダが溶けている状態で足を上下させ、周辺にハンダをなじませると良いと思います。「外れてはいけない」ということを念頭に、きっちりとハンダ付けしてください。
LEDの個数や角度はランプハウジングによっても異なりますので、現車あわせにて作成すると良いと思います。また、このようなリプレイス可能なバルブを使わずに、ランプハウジングにLEDに対応したサイズの穴(3パイ、5パイなど)をドリルで開け、そこへ直接LEDを配置する方法もあります。この方法だと直列や円形など、さまざまな配置を採ることができ、自由度が高くなり、またLEDの数量制限もほぼなくなりますので、より明るいランプユニットを作ることができます。
はみ出た足をニッパーでカット、紙ヤスリなどできれいに表面を慣らしておきます。マイナス側のLEDの足も先ほど、あらかじめハンダを盛っておいた場所へハンダ付けします。LEDの足は+/-が絶対に接触しないように、そして抵抗含むプラス側の足がソケットのケースに接触しないように取り付けてください。ケース外側は全てマイナスの極性を持っています。
ライセンスプレート灯、トランク照明に使われているバルブですが、ケース部分(金属の部分)を弄っていると、「ポロリ」と外れます。
それを利用して作ったのがトランク内やライセンスプレートに使用するLEDランプ。あまり明るすぎるのも変なので、白色LEDを5個使用するに留めています。このバルブは装着方法上、左右から圧力がかかるのでLED装着後にエポキシ樹脂で固め、それに対応してあります。
このようなバルブを作るのが面倒であれば、LEDと抵抗(もしくは定電流ダイオード)を直接車両側のバルブキャリアにハンダ付けしてもOKです。
そして点灯確認。安定化電源を使います。点灯確認は抵抗を取り付けた状態で、ソケットに納める前、そしてソケットに納めた後も確認を行うと良いでしょう。そうすると、早い段階で失敗が発見できます。これは白色です。
9V電池を使ったLEDテスターも数百円で売られていて、そちらはかなり手軽なので機会があれば購入しておくと良いかもしれません。
これはオレンジ。ウインカー用ですね。指先が透けるほど強烈に光っています。
これは赤。スモール(リア)、ストップランプに。特にストップランプは非常に重要です。スモールよりも明るいLEDを選んだり、同じ明るさでも個数を増やしたりして後続車からの視認性を考慮してください。オレンジや赤色LEDは安価なので、光量重視で多めに使うと良いと思います。
ソケットに収めたLEDの点灯確認ができたら、隙間にコーキング材を詰め込みます。隙間がないくらいに詰め込んでください。コーキング材はハンダの外れ防止、ショート防止、LEDの固定、防水などの重要な役割があります。非常に接着力が高く、劣化が少なく、高温にも耐え、柔軟性があるため振動を吸収できます。ぼくはコーキング材が大好きです。ホットボンドを使用される方もいらっしゃいますが、高温にさらされると溶け出しますので使用は控えた方が無難です。強固に固めるという観点ではエポキシ系接着剤が有効ですが、あまりに硬すぎて今度は振動をモロに伝えるというデメリットもありますので、状況に合わせて使い分けてください。
画像は986ボクスターのフロントスモールランプ用ですが、5パイのLEDを上手く配置すると4個まで入ります。ぼくは10000mcdを3個でまとめました。*作業には洗濯バサミが便利です。
こちらは4発バージョン。自分の車のランプハウジング形状にあわせてLEDの個数を決めると良いでしょう。ポルシェ車はバルブを挿入する際のクリアランスが少なく、3発までが無難です。また。奥行きに制限がある場合もあるので事前にどれくらいのサイズが入るのか確認しておくことも重要です。
左画像のLEDは、バスコークではなくエポキシ樹脂で固定しています。光っていない状態では発光色がわからないので、マジックでソケットに色を記入しています。
LEDは照射角度が狭い(指向性が強い)のが特徴です。照射角度が広いLEDもありますが、かんたんに照射角度を拡げるのにはこのような拡散キャップやレンズ、リフレクターを使用すると良いでしょう。1個数十円〜数百円で、いろいろな形状・サイズがあります。 また、ホームセンターで売っているアクリルのチューブを被せるのも明るさを落とさずに広範囲を照射する場合は有効です。
997カレラに使われているバルブ形状(色は場所により異なります)はだいたい上記のタイプに分類されます。「1」はトランクやライセンスプレート灯、、室内灯(大きさが2種類ある)「2」はサイドウインカーやドアオープニングランプ、フットランプ、グローブボックス、フロントのスモールランプ、「3」はフロントウインカーやブレーキランプ、リヤのスモールランプ、バックランプ、バックフォグなど。
一般的に、オレンジのバルブを使用しなくてはならない部分はバルブのソケットについている端子が「ハの字」形状をしていることが多いです(画像右)。左側は左右端子(ポッチ)が平行に出ていますね。クリアレンズにクリアバルブ、という違法行為を抑制するための策なのでしょうか。
これはLEDランプを発光させた状態(986ボクスター)。

カー用品店に行くと、LEDランプ各種はその製品ほぼ全てが「車検非対応」と記載されています。青色LEDが色的に車検に通らないのは当然ですが、白色もダメなのでしょうか?となると色が問題なわけではないと思われます。しかしそれだとLEDポジションランプも車検に通らないということの説明がつきません。とりあえず調べてみました。保安基準によると、下記のように定められています。

方向指示器(ウインカー)の点灯が昼間確認できる距離 方向表示を表示する方向100m
方向指示器(ウインカー)の点滅回数 毎分60回以上120回以下で一定の周期で点滅
尾灯(テールランプ)の点灯確認距離 夜間にその後方300m
制動灯(ブレーキランプ)の点灯確認距離 昼間にその後方100m
車幅灯(スモールランプ・前)の点灯確認距離 夜間にその前方300m、その色は色 白色、淡黄色、橙とする
番号灯(ナンバー灯)により登録番号票の数字などの表示を確認できる距離 夜間後方20m

ここから考えると、市販品に「車検非対応」「競技車専用」の記載があるのは、おそらく明文化されている「距離」をクリヤーできないから、またクリヤーできても検査官の方によってはどう判断されるかわからない、その為の逃げ口上なのでしょう。

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